「この『C1二』と『C2一』ってどっちが強いの?」
「地方競馬のクラスってJRAでいうとどのレベル?」
普段JRAの競馬に親しんでいる方にとって、地方競馬のクラス分けは非常に難解です。
特に2019年以降に競馬を始めた方にとっては、「賞金で決まる」、「降級がある」というのもなかなか理解しがたいところかと思います。
そこでこの記事では地方競馬場のクラス分けに関して、できるだけ分かりやすく解説。
どのクラスがどの程度の実力なのか?イメージしやすいようにまとめていきます。
地方競馬の重賞は買ったことがあっても、一般競走はほぼ買わないという方も、この記事を読めばクラス分けの基本や馬券への応用も身につくはずです。
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目次
競馬におけるクラス分けの基礎
- ★競馬のクラス分けの基本
- 過去の実績から実力の近い馬同士を同じクラスとしレースを行う
- 「格下」のクラスには出走できない
- 「格上」のクラスには出走可能
まずは競馬においてなぜクラス分けが存在するのか、どのような基準でクラスが決まるのかという点など、クラス分けの基本を紹介していきます。
競馬におけるクラス分けは、できるだけ同じような実力の馬同士でレースを行うために設けられているシステム。
その馬の実績からクラスを決め、そのクラスの中で結果を出すことで上のクラスに昇格していきます。
中央・地方ともに共通するクラス分けの基本として、「格下には出走不可」、「格上には出走可能」というものがあります。
ただし格上のクラスに出走できるといっても、未勝利の馬が重賞に挑戦するなどはかなり難しい話。
レースに出走を希望する馬がフルゲート以上になった場合、実績のない馬から除外されていくのがレースの基本。
格上挑戦する馬は、出走登録を行っても格上のレースにはなかなか出走できません。
では、まずは中央競馬と地方競馬のクラス分けに関して、どのような違いがあるかを確認していきましょう。
中央競馬のクラス分け
★中央競馬のクラス分けの特徴
- 勝利数でクラスが決定
- 降級するシステムがない
2022年現在、中央競馬のクラス分けは非常に分かりやすくなっています。
2019年に行われたクラス分けの改定で、現在はその馬の勝利数に応じてクラスが決定するシステム。
デビューは新馬戦や未勝利戦となり、そこで1勝すると「1勝条件」のクラスへ格上げされます。
1勝条件のレースで勝てば2勝条件へ、さらにそこで勝てば3勝条件へと、非常に分かりやすい形。通算で4勝すれば「オープンクラス」となり、このオープンクラスが最上位クラスとなります。
地方競馬のクラス分け
★地方競馬のクラス分けの特徴
- レースで獲得した賞金でクラスが決定
- 降級するシステムがある
地方競馬のクラス分けシステムに関しては、各主催競馬場が決めているため、すべての地方競馬場が同じシステムというわけではありません。
ただし、基本的な部分は同じであり、中央競馬が2019年春まで採用していた「賞金をベースとしたクラス分け」を採用しています。
かつては中央競馬も賞金別でクラスを決定していました。これは競走馬としての登録数が少なかった時代から続いていたもので、適宜「降級」というシステムを採り入れることで、すべてのクラスの出走数を確保するという意味合いがあります。
2022年現在中央競馬では登録している競走馬の数も多く、この降級のシステムを採用せずとも、すべてのクラスで出走馬は不足することがなくなったため、「勝利数」によるクラス分けに変更されたわけです。
一方地方競馬は所属馬の数にも限界があり、各クラスの競走を円滑に行うためにもまだ「降級」のシステムが必要とされています。
では、この地方競馬のクラス分けのシステムに関して、さらに細かく掘り下げていきましょう。
地方競馬のクラス分けをさらに細かく解説
上でも少し触れたとおり、地方競馬のクラス分けに関しては、すべての競馬場が同じということはありません。
ただし、基本的な形は同じですので、地方競馬のクラス分けの基本的な考え方を紹介していきましょう。
基本的にはアルファベットで分割
多くの地方競馬場は、クラス分けをアルファベットを用いて分割しています。
各競馬場とも、A~Cといったアルファベットでクラスを分けており、Aの方が強く、Cの方が弱いクラスとなっています。
このアルファベットによる分類は、クラス分けにおける「大分類」。地方競馬ではさらに細かくクラス分けを行っています。
さらに細かくクラスを編成
登録馬をA~Cなどアルファベットで大分類した後は、基本的には数字で分類が行われます。これが「中分類」となります。
競馬場 | 分類(大分類+中分類) |
帯広競馬場 | A1・A2・B1・B2・B3・B4・C1・C2 |
ホッカイドウ競馬 (門別) |
A1・A2・A3・A4・B1・B2・B3・B4・C1・C2・C3・C4 |
岩手競馬 (水沢・盛岡) |
OP・A・B1・B2・C1・C2 |
南関東競馬 (大井・川崎・船橋・浦和) |
A1・A2・B1・B2・B3・C1・C2・C3 |
金沢競馬場 | A1・A2・B1・B2・C1・C2 |
東海競馬 (名古屋・笠松) |
A・B・C |
兵庫競馬 (園田・姫路) |
A1・A2・B1・B2・C1・C2・C3 |
高知競馬場 | A・B・C1・C2・C3(上)・C3(下) |
佐賀競馬場 | A1・A2・B・C1・C2 |
それぞれの地方競馬場が独自に行っているクラス分けが上記の通り。
ちなみに2歳戦、3歳限定戦に関しては、多くの競馬場が上記以外に別のクラス分け基準を持っており、上記の基準は3歳以上(4歳以上)の古馬に対するクラス分けとなります。
またほとんどの地方競馬では、中分類の下にさらに小分類を持っていますが、この小分類に関しては、後の「表記は地方競馬場ごとに変わる」の項目で説明していきます。
対象となるのは「賞金」
地方競馬には細かなクラス分けがあるのはここまで説明した通り。
ではこのクラス分けを何を基準に行っているかというと、レースで獲得する「賞金」です。
競馬ではレースごとに着順による賞金が決まっています。
この賞金を基準にクラスを分けるのですが、賞金の扱いには地方競馬場ごとに違いがあります。
もっとも多いのが獲得した賞金をそのまま加算するケース。賞金は基本的に5着以内が対象となりますので、レースで5着以内に入ると賞金が加算され、一定の金額を超えると上のクラスに昇級ということになります。
一例として川崎競馬の一般競走の情報を見てみましょう。
このレースは「C1」クラスのレースで、1着の賞金が120万円となっています。2着以降は48万円、30万円、18万円と賞金が下がっていき、5着の賞金が12万円です。
このレースで5着以内に入れば賞金を獲得。その賞金分を加算して上のクラスに上がる条件をクリアしていれば、ひとつ上の「B3」クラスに昇格します。
賞金に関しては競馬場ごとにいろいろなルールがあり、表示の賞金そのままであったり、JRA主催の競走の場合、賞金額の40%が加算されたりなどの条件があります。
また、競馬場によっては賞金額をポイントに変換し、ポイントでクラスを決める競馬場も。
JRAの場合、あくまでも勝利しないと上のクラスに昇格しませんが、ほとんどの地方競馬場では、勝ってなくても昇格するケースがあるということになります。
上で紹介した川崎競馬場の例を見てもわかる通り、例えばこのC1条件のレースで10回5着に入れば、1回勝ったのと同じ賞金となります。極端な例ですが、10戦連続5着でも昇級する可能性がある。それが地方競馬のクラス分けシステムです。
表記は地方競馬ごとに変わる
上で紹介した川崎競馬場のレース情報ですが、クラス分けの「C1」の後ろに「(四)(五)」と漢数字の表記があります。
この漢数字がいわゆる小分類とされる部分。
多くの地方競馬場では、同じクラスの馬の中でも、その馬の実績ごとにさらに細かく分類しています。
そして同じC1クラスのレースでも、(四)(五)という追加の表記があれば、「C1クラスの(四)(五)レベルの馬のみ出走可能なレース」という意味になります。
この小分類の表記は競馬場ごとに様々で、川崎競馬場のように漢数字で表記するケース、算用数字で表記するケース、イロハ文字で表記するケースがあります。
数字の場合はすべて数字が小さいほど馬のレベルは高く、イロハ文字の場合は「イ」が強く「ハ」が弱いということになります。
実際に1日のレース名から、そのレースレベルを確認してみましょう。
この画像は2022年8月2日に行われた盛岡競馬場の番組表です。
4~7Rの4レースはすべてC2クラス。4Rはクラス内の実績問わず出走できるレースであり、5RはC2クラスの中で、三組に割り振られる馬のみ出走できるレース。6・7Rは一組と二組のレースですので、同じC2ランクのレースでも、5Rの方が実績の少ない馬(獲得賞金の少ない馬)が出走するレースとなります。
他競馬場と同じクラス表記でも実力は違う
地方競馬の予想で気を付けたいのが、同じクラスでも競馬場によって実力に差があるということです。
地方競馬の中では、もっともレベルが高いといわれているのが南関東(大井・川崎・船橋・浦和)です。これに続くのが園田競馬場を含む兵庫競馬、さらに名古屋競馬場を含む東海競馬が続きます。
2歳戦に限定すれば、南関東と同レベルかそれ以上のレベルにあるのがホッカイドウ競馬(門別競馬場)。門別競馬場は4月から2歳戦が始まるため、他競馬場よりも実戦経験の多い馬が多くなり、それだけレベルが高くなります。
つまり、南関東のB1クラスと、金沢競馬場のB1クラスは実力的に同じではないということ。特に地方交流レースや、転厩馬が出走しているレースを予想する場合は、どの競馬場でどのクラスだったのかをしっかりと把握して予想しましょう。
JRAにはない「降級」が存在する
地方競馬のクラス分けに関して、覚えておきたいのが「降級」のシステムです。
地方競馬場ではそれぞれ独自の方法で、クラス編成を行っており、その中には降級に関する条件も定められています。
降級は登録馬が少ない競馬場では必要不可欠な制度であり、馬房の数に限界のある地方競馬では、番組を充実させるためにも必要なシステムとなっています。
代表的な降級制度の一例として、ホッカイドウ競馬(門別競馬場)の降級システムを紹介しましょう。
ホッカイドウ競馬では毎年第1回開催(例年4月中旬)前に編成が行われます。
クラス分けはレースで獲得した賞金(番組賞金)によって決定しますが、計算時に以下の条件下で計算されます。
馬齢 | 番組賞金 |
3歳 | 前年番組賞金+ホッカイドウ競馬休止期間中の番組賞金×40% |
4・5歳 | 前年番組賞金×80%+ホッカイドウ競馬休止期間中の番組賞金×40% |
6歳 | 前年番組賞金×70%+ホッカイドウ競馬休止期間中の番組賞金×40% |
7歳以上 | 前年番組賞金×60%+ホッカイドウ競馬休止期間中の番組賞金×40% |
ホッカイドウ競馬は冬季期間開催がないため、この期間他の地方競馬場やJRAのレースに出走する馬もいます。
休止期間中に獲得した賞金に関しては、番組賞金の40%が加算されます。
例えばホッカイドウ競馬所属の馬が、例年2月に行われる「川崎記念(JpnⅠ)」に優勝した場合、1着賞金6,000万円の40%にあたる2,400万円が加算されます。
さらに馬齢を重ねると、前年に獲得した番組賞金に一定の数値をかけた金額で計算されるため、前年ある程度賞金を加算していても昇級しない、もしくは降級するというケースが出てきます。
他の地方競馬場でもそれぞれの基準を設けてクラス分けを行っており、どの競馬場でも状況によっては降級するというケースが起こるようになっています。
地方競馬を代表する南関東競馬のクラス分け
ここからは各地方競馬のクラス分けに関してまとめて紹介していきましょう。
まずは、地方競馬の中でも全体のレベルが高く、またクラス分けの方法も代表的な形をとっている南関東競馬(大井・川崎・船橋・浦和)のクラス分けを紹介します。
賞金によるクラス分け
最初に紹介した通り、南関東のクラス分けは8種類(A1~C3)、クラス分け以前のクラスも含めると9クラスになります。
クラス分けは「上半期(1~6月)」と「下半期(7~12月)」で格付けの基準金額が変更されます。
クラス分けは番組賞金で計算。その馬がレースで5着以内に入ると手にする賞金額の合計でクラスが分けられることになり、ケースによってはレースに勝ってもクラスが変わらないこともありますし、レースに負けても賞金額で昇級することもあります。
南関東クラス分け基準金額(上半期・単位/万円) | ||||||
3歳 | 4歳 | 5歳 | 6歳 | 7歳 | 8歳以上 | |
A1 | 2,600 | 3,300 | 4,200 | 5,000 | 5,600 | 6,000 |
A2 | 1,800 | 2,000 | 2,500 | 3,200 | 3,800 | 4,200 |
B1 | 1,300 | 1,500 | 1,900 | 2,300 | 2,800 | 3,100 |
B2 | 1,000 | 1,100 | 1,400 | 1,700 | 2,100 | 2,300 |
B3 | 600 | 700 | 1,000 | 1,300 | 1,700 | 1,900 |
C1 | 格付けナシ | 400 | 700 | 1,000 | 1,400 | 1,500 |
C2 | 200 | 400 | 700 | 1,100 | 1,200 | |
C3 | 200未満 | 80以上 400未満 |
160以上 700未満 |
240以上 1,100未満 |
240以上 1,200未満 |
南関東クラス分け基準金額(下半期・単位/万円) | ||||||
3歳 | 4歳 | 5歳 | 6歳 | 7歳 | 8歳以上 | |
A1 | 2,800 | 3,500 | 4,400 | 5,200 | 5,900 | 6,000 |
A2 | 2,000 | 2,200 | 2,700 | 3,400 | 4,100 | 4,200 |
B1 | 1,500 | 1,700 | 2,100 | 2,500 | 3,000 | 3,100 |
B2 | 1,100 | 1,200 | 1,500 | 1,800 | 2,200 | 2,300 |
B3 | 700 | 800 | 1,100 | 1,400 | 1,800 | 1,900 |
C1 | 400 | 500 | 800 | 1,100 | 1,400 | 1,500 |
C2 | 200 | 300 | 500 | 800 | 1,100 | 1,200 |
C3 | 格付けナシ | 20以上 300未満 |
80以上 500未満 |
160以上 800未満 |
240以上 1,100未満 |
240以上 1,200未満 |
それぞれの馬が獲得した番組賞金によって、上記のようにクラスが変わります。
つまり番組賞金1,500~1,999万円の3歳馬はB1クラス、番組賞金3,000~4,099万円の7歳馬はA2クラスとなります。
馬齢によって降級の可能性も
南関東競馬では上半期と下半期でクラス分けの編成が行われます。
特に下半期から上半期に移行する年末年始では「馬齢による降級」が発生しやすいタイミングとなります。
仮に番組賞金3,000万円の3歳馬がいたとします。この馬は下半期の基準額を見ると、A1クラスに所属している馬となります。
この馬が12月を超え4歳1月となると、上半期の4歳の基準額でクラス分けが行われることになり、番組賞金3,300万円に満たないことからA2クラスに降級ということになります。
このように地方競馬では、馬齢を重ねることで、自然と降級するケースが多々ありますので覚えておきましょう。
JRAクラスとのおおよその比較
南関東競馬は、地方競馬全体をみても、もっともレベルの高い馬がそろっています。
地方競馬最高レベルの南関東競馬と、JRAのクラス分けを比較すると、およそどのような力関係となるでしょう。
南関東競馬 | JRA | |
A1 | ≒ | OP |
3勝クラス | ||
A2 | ≒ | 2勝クラス |
B1 | ||
B2 | ≒ | 1勝クラス |
B3 | ||
C1 | ≒ | 新馬・未勝利 |
C2 | ||
C3 |
非常に大まかなイメージではありますが、南関東競馬とJRAのクラスの力関係は上記の通り。
南関東のA2・B1がJRAの2勝クラスとほぼ同等のイメージです。
南関東では最高ランクであり、重賞出走馬の多くが所属するA1ですが、JRAでは3勝クラスの条件馬と同等レベルと考えられます。
JRAとの交流レースや、ダートグレード競走などの予想の際にも活用できますので、イメージとして覚えておきましょう。
門別競馬場のクラス分け
ここからはクラス分けが特徴的な競馬場をいくつか紹介していきます。
まずはホッカイドウ競馬・門別競馬場です。
門別競馬場では、3歳以上(4歳以上)の一般馬のクラスが12種類に分かれています。また3歳限定のクラス分けに加え、2歳馬のクラス分けも行われています。
一般馬(4歳以上・3歳以上)のクラス分け(賞金単位/万円) | |
クラス | 番組賞金 |
A1 | 800超 |
A2 | 600超~800 |
A3 | 500超~600 |
A4 | 400超~500 |
B1 | 350超~400 |
B2 | 300超~350 |
B3 | 250超~300 |
B4 | 200超~250 |
C1 | 160超~200 |
C2 | 120超~160 |
C3 | 80超~120 |
C4 | 80以下 |
3歳馬のクラス分け(賞金単位/万円) | |
クラス | 番組賞金 |
1 | 200超 |
2 | 150超~200 |
3 | 100超~150 |
4 | 100以下 |
未勝利 |
門別競馬場では、未勝利の馬はクラスが上がらないという、JRAに似たシステムがあります。1勝した後はほかの地方競馬場同様、番組賞金によってクラスが上がっていきます。
3歳馬が3歳限定戦に出走する場合は3歳馬のクラス分けが適用されますが、「3歳以上」が出走できるレースにおいては一般馬のクラス分けが適用されます。
番組賞金201万円で3歳1クラスに在籍する馬も、3歳以上のレースに出る場合はB4クラスとなります。
さらに特徴的な2歳馬のクラス分けは次の項目で紹介しましょう。
2歳戦のクラス分けに特徴あり
一般的に各競馬場で2歳新馬戦が始まるのは6~7月頃。その競馬場における「ダービー競走」が終わった後に始まります。これはJRAも同様です。
しかし門別競馬場では年度のスタートである4月から早くも2歳戦がスタートします。
この2歳戦のスタートの早さ、さらに馬産の中心地・北海道ということもあり、ほかの競馬場と比較しても多くの2歳馬が入厩する競馬場です。
例えば他の競馬場に入厩予定の2歳馬も、その競馬場で2歳戦が始まる前に一旦門別競馬場に入厩させて賞金を稼がせてから転厩するというケースがあります。
さらにセールなどで売れなかった2歳馬も、門別でデビューさせて競走能力を見せればあらためて買い手がつくというケースもあります。
早くから2歳戦を行うため、2歳馬にもクラス分けが必要なのが門別競馬場。ほかの競馬場では、2歳馬はランク対象外となっていることが多いのですが、門別競馬場ではしっかりとクラス分けが行われています。
2歳馬のクラス分け(賞金単位/万円) | |
クラス | 番組賞金 |
1 | 100超 |
2 | 40超~100 |
3 | 40以下 |
新馬 | |
未勝利 |
2歳戦も新馬・未勝利はクラス分けの対象外。まずは1勝をしてからクラス分けとなります。
2歳戦が充実している門別競馬場ならではのクラス分けといえるでしょう。
▼「門別競馬場」をもっと詳しく▼
兵庫競馬のクラス分け
続いて紹介するのが園田競馬場と姫路競馬場からなる兵庫競馬のクラス分けです。
一般的に競馬のクラス分けは、番組賞金を基準に行われますが、兵庫競馬では番組賞金ではなく「ポイント制」でクラス分けが決まります。
また、クラス分けの格付け修正が2ヶ月ごとに行われ、このタイミングで降級する馬も出てくるため、比較的クラスの入れ替えが激しい競馬場といえます。
賞金ではなくポイント制
兵庫競馬のクラス分けはポイント制で行われます。まずはポイントに関して簡単に紹介しておきましょう。
加算されるポイント一覧 | |||||
1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | |
重賞 | 100pt | 34pt | 18pt | 10pt | 8pt |
一般競走 | 100pt | 24pt | 12pt | 8pt | 6pt |
ポイントのシステムは分かりやすく、レースで5着以内に入れば上記のポイントが加算されます。
では、獲得ポイントによるクラス分けを確認しておきましょう。ここでは4歳以上の馬のクラス分けを確認します。
4歳以上ランク別ポイント表 | |
ランク | ポイント |
A1 | 760~ |
A2 | 630~759 |
B1 | 500~629 |
B2 | 350~499 |
C1 | 230~349 |
C2 | 100~229 |
C3 | 0~99 |
各クラスのポイント幅を見るとわかる通り、そのクラスで1着をとっても上のクラスに昇格できないケースもあるわけです。
さらに昇格に関しては細かなルールがあります。
★兵庫競馬昇格に関するルール
- ポイントが加算され昇格した場合は、昇格したクラスの最低ポイントに修正される
- ただし1着で昇格した場合、ポイントが5pt加算される
文字だけでは分かりにくいので、実例を挙げてみましょう。
ポイントを480pt持っている馬がいたとしましょう。この馬のクラスはB2になります。
この馬がB2クラスで2着になった場合、24ptをプラスして504ptとなりますのでB1クラスに昇格となります。ただし、「昇格した場合はそのクラスの最低ポイントに修正」されますので、この馬のポイントはB1ランクで最も低い500ptとなります。
この馬がB2クラスを勝った場合、480ptに100ptをプラスして580ptとなりますが、昇格ルールに則って500ptとなります。ただし勝って昇格してますので、5ptがプラスされ、505ptとなります。
一方降格に関してですが、2ヶ月に一度の格付け見直しにおいて、そのクラスでも近3走の成績が見られます。近3走で獲得したポイントが少ない馬から順に下のクラスに降格することになります。
ほかの競馬場とシステムが違うため、少々難しく感じるかもしれませんが、ポイント制を理解すれば意外と分かりやすいシステムとなっています。
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高知競馬場のクラス分け
最後に高知競馬場のクラス分けを紹介しましょう。
一般的に競馬のクラス分けは、生涯獲得賞金を参照して行われます。そのため一度昇格すると、大きく降格することはなく、降格しても一つ下のクラスまでとなるのが普通です。
しかし、高知競馬場では「近2年の競走成績」でクラス分けが行われます。ここがほかの競馬場とは違う珍しいポイントといえるでしょう。
高知競馬が持つ特殊な格付け事情
高知競馬はほかの競馬場と違い、2歳馬・3歳馬の登録が少ない競馬場です。
高知競馬はほかの競馬場からの移籍馬が多く、かつては17年間新馬戦が行われない期間もありました。
かつての高知競馬は賞金が非常に安い競馬場であり、わざわざ賞金の安い競馬場で新馬をデビューさせる馬主は多くありませんでした。
そのため登録頭数が少なく、レースを組むのも難しくなります。ここに注目したのが、他の競馬場で戦えなくなった高齢馬を持つ馬主たちです。
高知に移籍すれば、レベルの低い馬と戦えるため、まだ賞金を加算できるということで、多くの高齢馬が移籍してくるようになります。
こうした高齢馬を中心に番組を編成するために生まれたのが、高知競馬独自のクラス分けの方法です。
参照する賞金は過去2年間
まずは高知競馬のクラス分けの基準を紹介しましょう。
一般馬(4歳以上)クラス分け基準(番組賞金単位/万円) | |
クラス | 番組賞金 |
A | 900超 |
B | 600超~900 |
C1 | 400超~600 |
C2 | 280超~400 |
C3(上) | 170超~280 |
C3(下) | 170以下 |
この基準で毎年4月1日と10月1日にクラス編成が行われます。
そして、番組賞金の対象となるのが過去2年間。
2022年4月1日のクラス編成で参照される期間は、2020年4月1日~2022年3月31日の間に獲得した番組賞金が対象です。
高知競馬の特徴は、一気に大幅な降格があり得るという点です。
例えばAクラスに在籍した馬が、過去2年間5着以内がまったくない、つまり番組賞金0円だったとすると、クラスは一気にC3(下)まで下がります。
もうひとつの特徴が2歳馬と3歳馬のクラス分けです。
2歳馬、3歳馬ともに、獲得した番組賞金が100万円を超えると、上記の一般馬のランク分けに編入されます。
つまり、2歳馬でも賞金を稼ぐと、古馬のクラス分けに編入され、古馬と同じレースに参戦することになります。
これも2&3歳馬が少ない高知競馬の特徴。2歳のみ、3歳のみでは多くのレースが組めないため、強い馬は古馬のレースに組み込まれます。
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まとめ
地方競馬ではそれぞれの競馬組合で、独自の方法で競走馬のクラス分けを行っています。
JRAのように勝てば昇格、降格なしという分かりやすいシステムではないので、慣れない方には分かりにくいかもしれません。
地方競馬のクラス分けを簡単にまとめておきましょう。
★地方競馬のクラス分けの基本
- 賞金でクラスが決まる
- レースで5着以内に入ると賞金が加算される
- クラスはアルファベットと算用数字で表記される
- アルファベットはA>B>Cの順で強さが決まる
- 付随する数字は数字が小さいほど上位のクラスとなる
- 定期的にクラスの見直しが行われ、馬齢は近走成績によって降級がある
このクラス分けの基本は、地方競馬の予想にも役立てることができます。
地方競馬の予想の際、出馬表で近走の成績を見る場合、近走どのクラスで走っていたかは重要な情報。一目でレースのレベルが理解できれば、予想の参考にもなるはずです。
細かいルールは地方競馬場ごとに差がありますので、気になる方は公式HPなどに番組編成要綱などが掲載されていますので、確認してみるといいでしょう。
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