地方競馬が好きな方は『交流重賞』という言葉を目にする機会は決して少なくありません。
そもそも日本には中央競馬と地方競馬があります。それぞれ国と地方が管轄しているという大きな違いがあるため、気軽に双方の馬は競争することができません。
オグリキャップが代表的ですが、地方競馬に所属している馬が中央競馬のレースに出走するためには移籍しなければいけないのです。
しかし、移籍せずとも中央競馬に所属する馬と地方競馬に所属する馬は戦うことが可能です。その舞台が『交流重賞』です。
この記事では、そもそも交流重賞とは何なのかという方のためにわかりやすく基本的な知識を説明し、勝つために押さえておきたい予想のポイントも紹介していきます。
地方競馬の中でも最も盛り上がる交流重賞は、競馬が好きな方は必ず押さえておくべき重要なレースです。興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそも交流重賞とは
はじめに知っておいてほしいのが、中央競馬と地方競馬には圧倒的な格差があるという点です。
格差というのは売上です。令和2年度の中央競馬の売上や2兆9834億円というとてつもない額になっていますが、地方競馬の中には運営が厳しい競馬場も数多くあります。
最近はネットで馬券を購入できるようになり多くの競馬上が売り上げを伸ばしていますが、それでも中央と地方では途方もない格差があります。
そんな格差を少しでも取り除くことができるようにと立案されたのが交流重賞。1995年から月に数回のペースで行われるようになった交流重賞は、地方所属馬だけではなく中央所属馬も出走できるレースです。
中央も地方も関係なく出走できるレースですが、地方競馬で開催されているレースの大半がダートなので、交流重賞もすべてがダートで施行されています。
そのため、中央競馬の芝で活躍している競走馬が出走することは滅多にありません。多くは中央競馬のダートで活躍している馬が出走します。
交流重賞のレース一覧
地方競馬で開催されている交流重賞は「JpnI」「JpnⅡ」「JpnⅢ」が名称で付いており、中央競馬のように「G1」「G2」「G3」ではありません。
以下で地方競馬の交流重賞の全レースをまとめて紹介します。
JpnI
- 川崎記念
- かしわ記念
- 帝王賞
- ジャパンダートダービー
- マイルチャンピオンシップ南部杯
- JBCレディスクラシック
- JBCスプリント
- JBCクラシック
- 全日本2歳優駿
JpnⅡ
- エンプレス杯
- ダイオライト記念
- 兵庫チャンピオンシップ
- さきたま杯
- 関東オークス
- 東京盃
- レディスプレリュード
- 日本テレビ盃
- 兵庫ジュニアグランプリ
- 浦和記念
- 名古屋グランプリ
JpnⅢ
- TCK女王盃
- 佐賀記念
- 黒船賞
- 名古屋大賞典
- 東京スプリント
- マリーンカップ
- かきつばた記念
- 北海道スプリントカップ
- スパーキングレディーカップ
- マーキュリーカップ
- クラスターカップ
- ブリーダーズゴールドカップ
- サマーチャンピオン
- オーバルスプリント
- 白山大賞典
- エーデルワイス賞
- JBC2歳優駿
- クイーン賞
- 兵庫ゴールドトロフィー
もちろん最も大きな注目を集めるのは中央競馬のG1に該当するJpnIです。
JpnIは高い注目を集めるレースなので軒並み賞金も多く、JBCクラシックは1着の賞金8,000万円で地方競馬の中では最も賞金が多いレースです。
上半期のダート馬最強決定戦と呼ばれている帝王賞が開催されるなど、地方競馬だけではなく中央競馬からも有力馬が軒並み揃うレースです。
交流重賞で勝つために押さえておくべき3つのポイント
とくにJpnIは今どの馬がダートで一番強いのかを決めるための決定戦という位置付けです。そのため、地方はもちろん中央からもその年で最も強いダート馬が集結します。
そんな交流重賞で勝つためには、以下のポイントを必ず押さえるようにしてください。
圧倒的に中央所属馬が強い
交流重賞で賭ける時に必ず覚えておかなければいけないのが、地方所属馬よりも中央所属馬が圧倒的に強いという点です。
もちろん地方所属馬には地の利があります。普段から同じ競馬場で走っているため、どのように走ればいいかを騎手も馬も熟知しているわけです。しかし、それでも地方と中央には圧倒的な力の差があるのは間違いありません。
地方所属馬にも強い馬はたくさんいますが、はっきりいって中央所属馬とはレベルが違います。
たとえば、交流重賞の中でもとくに高い人気を誇る帝王賞の過去6年間の勝ち馬は以下の通りです。
- コパノリッキー
- ケイティブレイブ
- ゴールドドリーム
- オメガパフューム
- クリソベリル
- テーオーケインズ
2010年に船橋競馬場に所属しているフリオーソが勝利して以来、10年以上も地方所属馬は勝利していません。
中央競馬はダートよりも芝の方がレースが多いので有力馬の多くは芝にいきますが、それでもダートで地方所属馬は勝ち切れないというのが一般的です。
つまり、交流重賞の馬券を購入する時は中央競馬からきている馬を軸にするのが良いということになります。
基本的な考え方としては地方所属馬は切る方向で馬券は購入した方が良いでしょう。
地方所属の有力馬はチェック
上記で中央競馬の馬を軸にして地方所属馬は切る方がいいと説明しましたが、それでも競馬は何があるかわかりません。
基本的に交流重賞は中央所属馬に人気が集まります。そのため、地方所属馬が勝てば馬券的には大きな配当を得られます。
実際に交流重賞で地方所属馬が勝つこともあります。
- 2021年のかしわ記念で船橋競馬場所属のカジノフォンテンが1着
- 2021年の川崎記念で船橋競馬場所属のカジノフォンテンが1着
- 2021年のジャパンダートダービーで船橋競馬場所属のキャッスルトップが1着
このように、最近のレースでは地方所属馬が中央所属馬を倒して1着になっているレースが多くあります。とくに注目すべきは船橋競馬場に所属している馬の躍進です。
とくに注目されているカジノフォンテンは、中央競馬でも活躍しているオメガパフュームを押さえて勝利するなど、中央所属馬にも負けず劣らずの走りを見せています。
確かに圧倒的に地方と中央では力の差があり、ほとんどのレースでは中央所属馬が圧倒して勝ちます。しかし、カジノフォンテンのように中央所属馬にも圧倒した走りを見せる馬が時々現れるのも地方競馬の面白いところです。
こういった馬を事前に押さえておくと、中央所属馬だけで買い目を固めて外すこともありません。
地方所属馬でも勝ちやすい交流重賞を狙う
とくに多くの方が注目しているJpnIには、地方所属馬が勝ちやすいレースと勝ちにくいレースがあります。
過去10年間で地方所属馬が何勝しているかをまとめて紹介します。
- 川崎記念(地方所属馬2勝)
- かしわ記念(地方所属馬1勝)
- 帝王賞(地方所属馬0勝)
- ジャパンダートダービー(地方所属馬2勝)
- マイルチャンピオンシップ南部杯(地方所属馬0勝)
- JBCレディスクラシック(地方所属馬1勝)
- JBCスプリント(地方所属馬2勝)
- JBCクラシック(地方所属馬1勝)
- 全日本2歳優駿(地方所属馬3勝)
過去10年の統計だけを見て考えると、地方競馬の交流重賞で最も地方所属馬が勝ちやすいのは全日本2歳優駿です。
名実ともに2歳のダート最強馬決定戦である全日本2歳優駿は、地方所属馬が多く出走することで知られています。その理由は、中央競馬はまず芝で勝てるかどうかを確かめるからです。
現在ダートで活躍している多くの馬も、はじめは芝に挑戦しているのが一般的です。芝で活躍できなかった、または走りを見ていてダートの方が向いていると感じた場合のみダートへと変わりますので、2歳の段階からダートへ挑戦する馬は少ないのです。
それでも過去10年で地方所属馬は3勝しかできていません。多くは中央から参加した馬です。
反対にまったく勝てないレースというのが2つ存在します。それは帝王賞とマイルチャンピオンシップです。
帝王賞で地方所属馬が最後に勝ったのは2011年、マイルチャンピオンシップは2002年にまで遡ります。よっぽどの有力馬が地方から参加しない限りはこの2つのレースに関しては、まず中央所属馬を軸にして馬券を購入すれば安泰といえるでしょう。
まとめ
交流重賞の基本的な知識と勝つために押さえておきたいポイントをまとめて紹介してきましたが参考になりましたか?
中央と地方の有力馬が一同に会する交流重賞は、ダートで最も強い馬を決めるための決定戦になっています。中央ではダートで位が高いG1が少ないため、中央で活躍している多くの競走馬が地方の交流重賞に挑戦しています。
そのため、とくに高い注目を集めている交流重賞に関してはそもそも地方所属馬の参加が少ないということも珍しくありません。
中央所属馬が地方所属馬を圧倒するのが一般的ではありますが、2021年に突如覚醒したカジノフォンテンのように、中央勢を蹴散らす地方勢が突然でてくることもあります。
交流重賞は地方だけではなく中央競馬が好きな方にもおすすめのレースなので、ぜひ注目してみてください!